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2016年11月

性同一性障害児童生徒への支援、配慮

任意調査に全国で606件の報告が

 生物学的な性と心理的な性が異なる人を医学的には性同一性障害と呼びます。文部科学省による性同一性障害児童生徒全国調査(2014年)に606件の報告がありました(任意調査なので実際はさらに多いと思われる)。

6割が特別な配慮を実施

 報告事例の内訳は、戸籍上の女60.4%、男39.1%、学校別では高等学校66.5%、小学校15.4%、中学校18.2%でした。約6割の学校が特別な配慮をしていますが、本人や保護者等の要望でしていないところも4割ありました。特別な配慮は▽学用品に付ける名前シールの男女別色分けを避ける▽学内では通称を使う▽授業では男女混合グループを作って発言しやすい環境を整える▽すべての生徒を「さん」付けで統一する▽内科検診を別にする、などの事例が報告されています。全校生徒や保護者・PTAに説明しているところもある一方、本人や保護者の希望で説明していないところもあり、周知対応は分かれています(文部科学省「学校における性同一性障害に係る対応に関する状況調査」)。

文科省 配慮を求める

 同省は2015年4月、性同一性障害児童生徒に細かな配慮をするように全都道府県の教育関係者あてに通達を出しました。通達は性同一性障害児童生徒の心情等や保護者のプライバシーなどに配慮しながら教職員と情報共有を進めて学校全体で支援体制をとること、合わせていじめや差別を許さない生徒指導・人権教育の推進を求めています。 具体的には▽学校内外にサポートチームを作って組織的に支援する▽本人や保護者の気持ちも尊重しつつ学校と情報共有に努める▽本人や保護者の同意を得て医師の助言も受ける▽他の児童生徒と均衡のある支援を進める▽卒業後戸籍上の性を変えたものが卒業証明を求めた場合は本人の利益を尊重して対応する▽保護者や本人の相談体制を充実させるなど、適切な対応を指導しています。そして▽服装や髪型は本人の意思を認める▽トイレや更衣室の利用を認める▽体育や保健体育の授業、水泳などは別メニューやレポートにする▽修学旅行では一人部屋を認め入浴時間をずらすなどが例示されています。
 
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律
(定義)
第二条 この法律において「性同一性障害者」とは、生物学的には性別が明らかであるにもかかわらず、心理的にはそれとは別の性別であるとの持続的な確信を持ち、かつ、自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有する者であって、そのことについてその診断を的確に行うために必要な知識及び経験を有する二人以上の医師の一般に認められている医学的知見に基づき行う診断が一致しているものをいう。
(性別の取扱いの変更の審判)
第三条 家庭裁判所は、性同一性障害者であって次の各号のいずれにも該当するものについて、その者の請求により、性別の取扱いの変更の審判をすることができる。
一 二十歳以上であること。
二 現に婚姻をしていないこと。
三 現に未成年の子がいないこと。
四 生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。
五 その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。
(性別の取扱いの変更の審判を受けた者に関する法令上の取扱い)
第四条 性別の取扱いの変更の審判を受けた者は、民法その他の法令の規定の適用については、法律に別段の定めがある場合を除き、その性別につき他の性別に変わったものとみなす。
 
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