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2020年6・7月

人権マガジン

部落差別の解消に向けて②

▽意識調査から見えること
 令和元年度県政世論調査では、解決に向けて必要なことの問いで、「どのようにしても差別はなくならない」が20.7%、「そっとしておけば差別は自然になくなる」が16.2%の回答である。国民的課題と言われた「同和対策審議会答申」から55年経つが、十分理解されているとは言えない。
 特に、「そっとしておく」という選択は、決して自然に生れた意識ではなく、大人から小人へ差別意識が刷り込まれてきた経緯から考えると解決に至らないことは明白である。また、他人事の域を出ることもない。
 
▽こわいという噂
 噂の情報元は、「○○から聞いた」「○○らしい」という誤った情報であるが、こわいというイメージを持っている場合が多い。
 昭和30年前後に行っていた部落解放の手段としての糾弾やえせ同和行為によるイメージの悪化等が推察される。しかし、社会に流布するその根底にある意識は、「部落は怖い」、「暴力的だ」、「部落ならやりかねない」という差別的偏見に基づいているのではないか?
 
▽差別のバトンを渡さない
 差別のバトンの裏側にある自然解消論や部落分散論、部落責任論は、どれも無責任なうわさや思い込み、風評による間違った認識に基づくものである。
 「無知が差別を生む」と言われる。人権情報や各種講演会、学校での人権関係の行事など噂や思い込み、風評に対する正しい認識を得る場面は、多くある。そのどれかをきっかけに合理的に考え、行動することは、今を生きる者としての責任と考えるのは難しいなのだろうか?
 次代に差別のバトンを渡さない取組が必要である。
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