2014年3月

企業の社会責任と同和問題

1 不適切な質問

「差別採用なんて今はない」という声を聞く。採用面接の質問を見直すなど、様々な取り組みが行われてきたからだ。しかし、県内の高校生からは差別につながるおそれのある質問を受けた、と報告が上がっている。大学などの入学試験でも書類や面接で同様な質問があった、と報告がある。
<高校生への不適切な質問> (香川県人権・同和教育進路促進委員会・2012年)

2 公正採用の取り組み 公正採用選考人権啓発推進員制度

(「推進員」)
従業員100人以上の事業所(香川は50人以上)に推進員を置き、公正採用と人権啓発のリーダー役を果たすように厚生労働省は行政指導している。面接での不適切な質問はほとんど企業トップによる場合が多く、推進員の役割は重大である。
面接での好ましい質問
採用は本人の適性や意欲・能力によることから、労働局や学校関係者などは▽差別につながるおそれのある12項目他県では14項目を面接で質問しない▽本籍などの項目を削除した全国高等学校統一応募用紙を使用する、などを企業に求めている。
 
採用面接での好ましい質問事例
①導入部(受験者の緊張をほぐす)・・・「何時ごろ起きましたか」「趣味は何ですか」など
②本質問(適性・能力などを見る)・・・「なぜ当社を希望しましたか」「自分の長所は何ですか」「どんな仕事をしてみたいですか」など
③情報交換(本人の意思確認などをする)・・・「職務内容や勤務形態、賃金はどうですか」「転勤や残業がありますがどうですか」など。
これらを参考に、各事業所で質問マニュアルを作るように香川労働局は指導している。
差別につながるおそれのある質問
①本籍②家族の職業・続柄③家族の地位・学歴・収入④家族の資産⑤住宅の状況⑥信仰宗教⑦支持政党⑧生活信条⑨尊敬する人物⑩思想関係⑪生まれ育った所⑫生活に関わる作文(例えば生い立ちなど)など。職業安定法では人種・民族・社会的身分・門地・本籍・出生地など差別の原因となる情報の収集を禁じている。
*詳しくは香川労働局の冊子『採用』をご覧ください。冊子はハローワークに請求してください。

3 同和問題と雇用

◆就労問題と同和問題
 歴史をかえりみても、同和地区住民がその時代における主要産業の生産過程から排除され、賤業とされる雑業に従事していたことが社会的地位の上昇と解放への道を阻む原因となったのであり、現代社会においても変わらない。同和地区住民に就職と教育の機会均等を完全に保障し、同和地区に滞留する停滞的過剰人口を近代的な主要産業の生産過程に導入することにより生活の安定と地位の向上を図ることが、同和問題解決の中心的課題である(同和対策審議会答申・1965年)。
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