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2020年3月

人権マガジン

県内 働く障害者 3900人に迫る

 香川労働局は2019年6月現在の障害者雇用状況を公表しました。
 県内で働く障害者は民間企業3240人、官公庁等が657.5人の合計3897.5人です。制度始まって以来の人数になっています。障害者人数の計算方法は、法律上次のようにカウントしています。短時間労働の障害者1人は0.5人としてカウントし、重度の場合(身体障害者・知的障害者)は1人を2人としてカウントします。
 民間企業での内訳は身体障害者2259.0人、知的障害者664.0人、精神障害者317.0人です。精神障害者の雇用は前年より13.0%増加しています。対象企業(45.5人以上規模・867社)の実雇用率(実際の障害者雇用率)は2.05%で全国平均2.11%を下回っています。法定雇用率を達成している企業は55.7%で全国平均48.0%を上回っています。産業別にみると、「建設業」「電気・ガス・熱供給・水道」「医療・福祉」は2%を超えています。公的機関では、県131.5人(実雇用率2.71%)、8市9町291.5人(2.35%)、県教育委員会159.5人(2.37%)8市9町教育委員会16.0人(2.27%)、独立行政法人48.0人(2.47%)となっています。

障害者雇用の進め方

 障害者雇用を推進するうえで大切なことは①法律上の義務や制度を理解する②トップが先頭に立って企業組織全体で取組む③作業の見直しや職場環境の改善を進める、などです。具体的には①ハローワークや特別支援学校など専門的な知見を持つ機関と相談・連携する②障害者雇用を実際に進めている会社を見学して理解を深める③従業員研修で疑問や不安を解消する④障害当事者にふさわしい業務と環境を作る、などの取組みが不可欠です。
 従業員研修では「どう接したらよいか」「一緒にうまくやれるか」「仕事ができるか」「自分の負担が増えるのでは」など誤解や不安を解決し、職場全体で受け入れる体制を確立することが大切です。そのためには障害者雇用をしている事業所を見学したり、ハローワーク担当者から説明を聞いたりして理解を深めることが重要です。障害による特性を理解し、適性に応じた職務を担ってもらうのが原則です。また、職場改善は「障害者のために」ではなく、「誰もが安全に働きやすい職場にする」という観点が重要です。改善項目でよくみられるのは①スロープや手すりの設置②広い幅の引き戸③洋式トイレ、洗面所の改善④障害者専用駐車場⑤整頓された広い通路⑥パトライトの設置⑦機械の安全装置対策⑧色覚障害者対策⑨手話やジェスチャーによるコミュニケーション⑩フレックスタイムの導入などです。事業所によっては、法定雇用率を達成するために障害者にふさわしい職場を新たに作る例もあります。制度も見直し、通勤方法や体調に合わせた勤務時間や勤務体制の見直し、障害によっては生活支援が必要な場合もあります。

障害者雇用促進法

(事業主の責務)
 第五条 すべて事業主は、障害者の雇用に関し、社会連携の理念に基づき、障害者である労働者が有為な職業人として自立しようとする努力に対して協力する責務を有するものであって、その有する能力を正当に評価し、適当な雇用の場を与えるとともに適正な雇用管理を行うことによりその雇用の安定を図るように努めなければならない。
(国及び地方公共団体の責務)
第六条 国及び地方公共団体は、自ら率先して障害者を雇用するとともに、障害者の雇用について事業主その他国民一般の理解を高めるほか、事業主、障害者その他の関係者に対する援助の措置及び障害者の特性に配慮した職業リハビリテーションの措置を講ずる等障害者の雇用の促進及びその職業の安定を図るために必要な施策を、障害者の福祉に関する施策との有機的な連携を図りつつ総合的かつ効果的に推進するように努めなければならない。
特定非営利活動法人香川人権研究所
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