本文へ移動

2019年9月

 研究所だより

9月の主な活動

9月6日 坂出市立東部中学校 PTA人権研修会

 19時から同校PTA役員の研修会が行われた。夜にも関わらず参加者は熱心に学習し、講演後は質疑によって更に理解を深めた。また、次のような主旨の感想が寄せられている。
〇左利きのことを「ぎっちょ」と呼ぶことがあるが個性だと分かった。娘も左利きなので言葉に気を付けたい。
〇「ダメ」と怒ってしまうのはネガティブキャンペーン。どうしたらいいかを教えてあげるのが子どもの人権を尊重するポジティブだと思った。
〇「差別される人たち」と言っているが、「差別する人」-主体と客体が反対の方向からの話を聞いてハッとさせられた。
〇「人権教育が人権情報の切り売りになっていないか」と言う言葉にショックを受けた。
〇生活の中で、身近な場面で人権尊重に心がけていかなければと思った。人権教育は人権尊重の仕方を学ぶことだと確認できた。
〇新しい部落史を聞いて、昔自分たちが習ったことと全く違うので驚いた。
〇「障害者のために」と考えていたが、「誰もが便利で暮らしやすく」とは考えたことが無かった。
〇「一度だけの人生、誰でも幸せに過ごしたいと願っている」との言葉が心に残った。

9月11日 仲多度郡三町 新規採用行政職員研修会

 研修テーマは「自治体職員と人権問題」。職員採用の際に「憲法を守り…」と宣誓し署名したが、憲法には行政は基本的人権を最大限優先すると定めている(第13条)。自治体の基本業務は住民の福祉を推進すること(自治法1条)、住民の人権保障を推進することが行政職員の基本。各課業務の中にある人権課題、特に障害者への「合理的配慮の提供」、部落問題での「相談体制の充実、教育・啓発」について理解を深めた。

9月13日 連合徳島 開放講座

 テーマは「人権尊重で働きやすい職場づくり」。多様な労働者が働きやすい人権尊重の職場づくりについて、理解を深め合った。人事の原則は「公平」。例えば採用は本人の適性に基づいて公平でなければならない。面接や身元調査では予断や偏見を与える情報、差別を引き起こす恐れのある情報の収集が禁じられている(職業安定法第5条及び同指針)。障害者雇用の義務があるから障害のある人もない人も働きやすい施設になっているか(バリアフリーや合理的配慮の提供、従業員の理解など)。男女だけでなくLGBTの人も共に働きやすい職場になっているか(従業員の理解、セクハラ対策、トイレや休憩所・制服などの配慮など)、個人情報の保護、人権を尊重した言葉づかい、年齢に配慮した大きな文字、色覚個性に配慮したカラーリングなど、具体的に映像も使って職場での取組み状況を一人一人が振り返った。障害者差別解消法に基づく職員対応要領を参加者の自治体職員に尋ねたところ、「知らない」が圧倒的多数だった。

9月18日 KSBテレビで福田村事件

    福田村事件=イラスト
 KSB瀬戸内海放送のテレビ番組「KSBスーパーJチャンネル」で「特集・福田村事件からいま学ぶこと」が放送された。1923年9月6日、千葉県福田村三ツ堀(現野田市)で香川県の売薬行商人一行が厳戒中の自警団に襲撃され、幼児など9人が殺害された。9月1日に関東大震災が発生、軍部は戒厳令を敷いて各地に自警団が組織された。自警団による「朝鮮人虐殺」は有名だが、日本人が犠牲になったのが福田村事件。番組では、9月6日に現地で行われたフィールドワークの様子が紹介され犠牲者追悼碑の建設に尽力されて現地ガイドを務めている市川正廣さんが登場し、「再び起こしてはならないこと。その思いでずっと活動を続けています。」とインタビューに答えている。

9月24~25日 人権研修ツアー

 「京都で新しい部落史を学ぼう」をテーマに「2019人権研修ツアーin京都」が実施された。
 一日目は①オムロン京都太陽で障害者雇用について②京都市地域交流センターで多文化共生について、夜は済州島家庭料理の店「ハルバン」で参加者交流会を持った。
 「オムロン京都太陽」は社会福祉法人「太陽の家」(就労継続支援施設)とオムロンによる共同経営企業で社員の3分の2(約130人)が障害者の工場。
 東九条は在日朝鮮人が多い地域(約4万人の韓国・朝鮮人や中国人などが在住)。1930年代から朝鮮半島出身者が流入、誰もが住みよいまちづくりが地域の重要課題。2009年に京都朝鮮第一初級学校(当時)で在特会によるヘイトスピーチが起きた。京都市は公共施設等でのヘイトスピーチを許さないための使用手続ガイドラインを今年6月に策定した。
 二日目は「ツラッティ千本」での部落のルーツ「きよめ役」について学んだ。
 野口村は江戸時代に現在の楽只(らくし)地区へ強制移住させられた。野口の人々は「きよめ」の仕事に従事していた。天皇や公家の住居、寺などを掃除して清めることで、御所に使える人たちは「河原者」(かわらもの)と呼ばれた。もう一つは猪の皮販売。鎧兜や和太鼓、ニカワなどを作った。警察業務を務める「役人村」でもあった。「決して恥ずかしくない仕事をしていた」との説明が力強かった。

9月の活動(主なもの)

2日
琴平町(網の目)
3日
まんのう町(網の目)
4日
直島町(網の目)
6日
坂出市立東部中学校PTA人権講演会
9日
琴参バス打ち合わせ(人権研修ツアーについて)
11日
仲多度郡行政職員人権・同和問題研修会/まんのう町広報原稿取材
12日
KSB取材(福田村事件について)
13日
連合徳島 部落解放・人権講座実行委員会講演会
14日
福山市市民意識調査データ分析研究会
17日
じんけんフェスタ連絡会/県農政課打ち合わせ(研修会について))
24日
人権研修ツアー(京都)
25日
人権研修ツアー(京都)
27日
琴平町広報原稿取材
特定非営利活動法人香川人権研究所
〒763-0092
香川県丸亀市川西町南715-1
TEL.0877-58-6868
FAX.0877-28-1011
TOPへ戻る