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2019年8月

 研究所だより

8月の主な活動

教職員 人権・同和問題研修会

 毎年8月は教職員による人権・同和問題研修が多く、今年は人権啓発センターで13回実施された。愛媛県や県内の高校生、中学生の「人権教室」も実施した。研修会は90~120分で、プログラムは①見学(香川県人権啓発展示室)②体験(高齢者疑似体験や点字名刺づくり)③講話など。展示室で同和問題からユニバーサルデザインまで、展示物や資料を見ながら香川の人権状況を学習。好評なのは体験研修。高齢者疑似体験キットを装着して視野狭窄や老人性難聴などを体験すると、ほとんどの人が真顔になる。点字体験をしてハマる人が多く、研修後点字キットを購入したという話もよく聞かれる。講話のテーマは要望に応じているが、「香川の同和問題」「人権・同和教育の成果と課題」が多い。明治から大正にかけて男尊女卑の風潮の中で「女のくせに」と厳しい差別を受けながら日本初の女性博士となった保井コノのパネルに関心が寄せられたのは教職員の特徴かもしれない。保井は香川師範の卒業生だが香川大出身者の中でも認知度は低い。

8月7日 善通寺市で企業向け講演会

 県内企業でもCSR活動の一環として人権尊重の取組みが進んでいる。公正採用や障害者・高齢者用トイレ、顧客の人権を尊重した言葉遣い研修など、具体的な取組み事例を映像で紹介し、同市内企業に人権問題への取組みを呼び掛けた。講演終了後、同市教育委員会の生涯学習担当者が企業参加者に同和問題啓発ポスターを手渡し、事業所などでの掲示を呼び掛けた。

8月8日 徳島県人権教育関係者向け講演会

 部落差別解消推進法で部落問題の教育・啓発活動が地方公共団体の責務とされた。これを受けて、主に若い教職員や啓発担当者などを対象に人権教育啓発推進法などに準拠して人権教育・啓発活動の基礎について講演した。
 徳島県は人権教育・啓発の現状について、学校教育は「知的理解にとどまり、人権感覚が十分身についていない」、社会教育は「問題解決に向けた実践力がいまだに不十分」「学習が受け身的」と指摘している。一方、人権啓発は「内容や手法が、県民の十分な興味や関心、共感を呼び起こすものになっていない」としている(「徳島県人権教育・啓発に関する基本計画」)。
 人権教育や啓発は人権尊重の理念や差別事例の紹介にとどまらず、人権問題の解決に向けた意欲や実践力・態度・生き方を育て、人権尊重が出来る人づくりによって誰もが住みよい社会づくりを推進するのが目的である。

8月19日 「網の目」行動結団式

 「網の目行動」は、県内自治体(県・8市9町)と部落解放同盟香川県連合会による人権・同和問題の解決に向けた意見交換会のこと。毎年8月から9月に実施され、行政側から同和問題など人権問題の解決に向けた取組みや現状などが報告される。これを受けて差別解消に向けた施策の充実について意見交換が行われる。
 同和対策事業特別措置法に基づき、県内自治体は70年代から同和対策事業に取組むようになった。自治体ごとに事業の手法などが異なっていたことから1973年、自治体間の格差是正を求めて自治体と同盟の話し合いが行われた。特別措置法失効後は人権・同和行政についての意見交換の場となっている。

8月の活動(主なもの)

1日
高松市立勝賀中学校ブロック教職員研修会/高松市立玉藻中学校ブロック打ち合わせ
2日
愛媛県立西条高等学校生徒人権教室
5日
高松市立玉藻中学校ブロック教職員研修会/部落解放・人権政策確立要求香川県実行委員会総会
6日
まんのう町広報原稿取材/高松市立屋島中学校教職員研修会
7日
丸亀市立岡田小学校人権教育相談/善通寺市人権教育推進協議会講演会
8日
徳島県人権教育研究協議会講演会
9日
観音寺市立観音寺幼稚園教職員研修会
16日
三豊市職員研修会(午前・午後、2回)
18日
姫路市立豊岡総合センター広瀬推進委員会研修会
19日
部落解放・人権政策確立要求2019年度県内『網の目』行動結団式
20日
さぬき市(網の目)
21日
東かがわ市(網の目)
22日
三木町(網の目)/丸亀市立郡家小学校教職員研修会
23日
高松市立木太中学校教職員研修会/丸亀市人権課研修会
26日
香川県立多度津高等学校生徒人権教室/香川県立高松北高等学校生徒人権教室
27日
金山文化センターふれあい喫茶ギター演奏/坂出市立東部中学校打ち合わせ
28日
三豊市立豊中中学校教職員研修会/香川県農政水産部農政課研修会
29日
香川県健康福祉総務課研修会/高松市立木太中学校講演会
30日
善通寺市(網の目)/丸亀市(網の目)
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