2019年3月
研究所だより
2018年度公正採用選考人権啓発推進員研修会
「聞いてはいけないのだが」と家族事情を尋ねる
面接後に書類を渡して両親の本籍や職業を記入させる
2月1日から28日まで、香川労働局・ハローワークによる公正採用選考人権啓発推進員(以下「推進員」)研修会が高松と丸亀で開催され、合わせて379名が参加した。採用差別をなくすために推進員がリーダーシップを発揮し、公正採用選考のシステムを確立するとともに企業内人権研修を推進する目的で毎年開催されている。
■ 研修内容
①公正採用選考人権啓発推進員制度について(ハローワーク担当者による講話)
②面接での不適切な質問の現状と公庫での指導について(香川県人権・同和教育進路促進委員会、以下「進促」からの報告)
③県内企業での人権擁護活動の取組み事例について(香川人権研究所からの報告)
④高齢者疑似体験(かがわ健康福祉機構長寿社会部による指導)
⑤点字名刺づくり体験(香川人権研究所による指導)
高校生に対する不適切質問 実例
■「進促」担当者の講話(要旨)
面接での差別につながる恐れがある質問には「学校の指導でお答えできません」と答えるよう県内の高等学校では指導している。不適切な質問には学校から当該事業所へ申し入れをする。入社承諾書は県内統一用紙を使用し、会社独自の書類(身元保証書等)は人権に配慮した内容のものを入社日以降に願いたい。不適切な質問で多いのは家族の職業・続き柄等、住居状況(道順等)、尊敬する人物等。本人に責任のないことや個人の自由にかかわるものばかり。最近の事例では「親の職業は?」「住んでいる所はどこか?」「尊敬する人物は?」「結婚後仕事を続けるか?」「親はいつ離婚したか?」など。他にも「母親の出生地」や「聞いてはいけないのだが」と断りながら兄弟や家族のことを尋ねたり、面接後に書類を渡して両親の本籍や職業を記入させた事業所がある。
各事業所は労働局が紹介している「良い質問例」を参考にし、本人の適性や能力を正しく判断できる質問に努めてもらいたい。応募者はどの質問も合否を決定するものと受け止めているので「好きな野球チームはどこ?」とか回答に窮する質問はくれぐれもしないでほしい。
適性を判断できる質問マニュアルの整備を
香川労働局は経営者・人事担当役員向け冊子『採用』で、適性を引き出すのにふさわしい質問事例を紹介し、質問マニュアルを整備するように呼び掛けている。
(厚生労働省は上記12項目の他に全国統一様式に基づかない社用紙及び合理性・必要性に欠ける健康診断の2項目を含めて14項目としている)
企業 人権研修の状況(2017年度研修会参加者アンケートより)
3月の活動(主なもの)
1日
| 香川県打ち合わせ
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4日
| 公正採用選考人権啓発推進員研修会
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6日
| 展示室リニューアル工事
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7日 | 三豊市打ち合わせ(広報原稿)
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8日
| まんのう町教育委員会取材(広報原稿)
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12日
| 丸亀市打ち合わせ
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18日
| 丸亀市人権政策推進審議会
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19日
| 多度津町職員研修
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20日
| 「第44回部落解放・人権西日本夏期講座」現地実行委員会事務局会議
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23日
| 香川人権研究所理事会
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25日
| 展示室リニューアル工事
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30日
| 善通寺市意識調査研究会
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31日
| 善通寺市意識調査研究会
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