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2018年9月

人権マガジン

高齢者の人権

誰もが安心して暮らせる社会を

特殊詐欺

「他人事」とか「私は大丈夫」と思っていませんか?
 「あなたの未納金が裁判になっている。裁判費用200万円を送金するように」
 弁護士を名乗る男が県内の女性(79歳)に電話で指示し、女性は宅配便で現金200万円を送金しました。すると後日、さらに追加のお金を要求される事件が起きています。その前月、彼女に届いたはがきには「法務省」「未払金」の文字がありました。
 昨年も「なぜ老人ホームの入所約束を破棄したのか、損害を償え」と、県内に住む一人暮らしの女性(84歳)が弁護士を名乗る男に1930万円をだまし取られる事件が起きています。他にも、うまい儲け話の電話、還付金の電話、災害募金の電話など高齢者を狙った電話詐欺が後を絶ちません。
 警察は各地で犯人グループから名簿を押収しており、一人暮らしの高齢者などを標的にしている実態が確認されています。警察庁が押収した名簿の中に香川県在住者5571人の名簿があり、大半は高齢者でした。
 被害を防止するためには、一人一人が「自分は大丈夫」と過信しないことが大切、と関係者は声をそろえて言います。自信があっても、実際に相手が弁護士や公的機関を名乗るとだまされるケースが多く、電話の相手がどのような役所名や役職を名乗ろうと、お金の話は家族や役場に相談するのが原則です。身近に高齢者がいる家庭では、お金のことで電話がないか家族で話題にする、一人暮らしの高齢者には家族や近所の人が声掛けするなど、社会全体で高齢者の安全に配慮し、だれもが安心して暮らせるまちづくりを進めましょう。県警では特殊詐欺撃退装置を貸与しています(問い合せ・香川県警生活安全課☎087-833-0110、各警察署生活安全課)

第一位は「特殊詐欺」 高齢者の人権問題

 内閣府世論調査(2017年)によると、高齢者の人権問題として挙げられたのは「特殊詐欺の被害が多い」が55%で1位、続いて「病院や養護施設での処遇や虐待」39%、「経済的困難」38%、「働く能力を発揮する機会が少ない」33%、「家庭での嫌がらせや虐待」30%などとなっている(複数回答)。
特定非営利活動法人香川人権研究所
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