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2018年6月

人権マガジン

盲導犬と視覚障害者への配慮

盲導犬のことを知る  連載2

2017年度「人権研修ツアー」報告(その5)

 前回に引き続き、第12回人権研修ツアー(20017年9月7~8日)における兵庫県盲導犬協会神戸訓練センターでの盲導犬訓練や盲導犬ユーザーへの配慮などについて講演要旨を連載します。

視覚障害者への配慮

 第三の方法は、目の見える方にガイドしていただく方法。これが一番安全。ガイドさんやヘルパーさんにお願いするときは、前もって日時を依頼しておく。
 白杖で歩く方も道に迷うことがある。こんな場面に出会ったらぜひ手助けしていただきたい。「困っていますか」と尋ねて返事があれば案内してあげる。大切なことは声のかけ方。突然体に触れるとびっくりするので「今から手に触ります」など声をかけてから触る。肘(ひじ)をつかんでもらって案内する。立ち位置は目の不自由な方の半歩前。同じ立ち位置だと「段差がある」と伝える前につまずいたりする。案内を終えて離れるときははっきりと告げて離れる。行動が変わるたびに声をかけると安心する。まっすぐな道が続いている場合、黙って進み続けると不安になるので会話しながら歩く。階段では一旦止まって「階段があります。上り(下り)ます」と声をかける。扉があれば先に進み、扉の端がどこにあるか知らせてあげる。途中では周辺情報(音がする店、パン屋の匂いなど)を教えてあげながら進む。

レトリバーが選ばれる理由

 盲導犬は日本の場合、ほとんどラブラドールレトリバー。理由は、昔から人と一緒に生活してきた歴史が挙げられる。猟で人が撃ち落とした鳥を回収したり、魚をとる網を一緒に引いたりした。攻撃性がとても低い。盲導犬は知らない人に吠えては仕事にならない。環境変化に適応しやすく、訓練しやすい。体の大きさもちょうどよい。小さな犬だとハーネスを持つ位置が低く、止まったり誘導したりする力が人間に負けてしまう。逆に、盲導犬が大きすぎると人混みや狭いスペースなどで迷惑をかけるし、小さい子どもが怖がったり周りの人に威圧感を与えたりしても困る。愛嬌がありかわいい顔で多数の方に受け入れられやすいのがレトリバーである。

盲導犬の訓練

 盲導犬は繁殖犬から生まれ、生後2か月間は母犬やきょうだいと一緒に生活して犬同士の社会性を学ぶ。その後、1頭ずつ「パピーウォーカー」(ボランティア)に引き取られて約1年間、家庭生活に慣れる訓練を受ける。様々な場所へ連れて行ってもらい、踏切の大きな音、車がたくさん通る道路などに慣れる。協会に戻ると約半年から一年かけて盲導犬になる訓練をする。訓練は①基本訓練②誘導訓練③共同訓練の三段階。基本訓練では「お座り」「伏せ」「待て」の基本的な動きを教える。協会では指示を英語で行い、うまくできると「グッド」と褒める。次の行動に移るときは、前の指示を解除する意味の「オッケー」という言葉をかける。次に近くにある目的物を見つける誘導訓練。例えば駅の切符売り場や改札を盲導犬と一緒に探す訓練だ。最後に共同訓練。最終試験に合格して盲導犬と盲導犬ユーザーの誕生となる。
 10年たつと盲導犬も高齢化する。ユーザーに引き取られペットとして老後を送る。繁殖犬の子犬のうち、盲導犬になるのは10頭のうち2~3頭。盲導犬にならなかった犬は一般家庭に引き取られる。

障害者差別解消法への対応

 補助犬は①盲導犬②聴導犬③介助犬の3種類。補助犬を伴って公共機関、公共交通機関、飲食店を利用できる。法律(身体障害者補助犬法)ができて入店拒否が減った。
 障害者差別解消法では障害を持つ方に対する不当な差別的取り扱いを禁止している。不当な差別的取り扱いとは、サービスの提供を拒否したり制限したり条件を付けたりすること。また同法は「合理的配慮の提供」を定めている。合理的配慮とは、例えば目の不自由な方には印刷された説明書を配布するだけでなく読み上げること、書かなければいけないものは代筆してあげることなど。盲導犬同伴者へのサービス提供を拒否してはいけない。盲導犬を理由に拒否することは不当な取り扱い(差別)に当たる。
 ユーザーはマナーを守り、迷惑が掛からないように配慮している。例えば「盲導犬コート」を着用して毛が周りに飛び散らないようにしている。雨の日はレインコートを着せる。また、盲導犬には袋付きのベルトを着けてその中に排泄するように訓練している。
 盲導犬に出会ったら「声を掛けない」「触らない」「見つめない」ことだ。声を掛けられると遊んでもらえると思い仕事を忘れてしまう。目の不自由な方が困っていたらその方に声を掛けてお手伝いしてほしい。また、おやつ(食べ物)をあげないことだ。盲導犬は毎日決まった時間に決まった量の食べ物を与えて排泄リズムをつくっている。
特定非営利活動法人香川人権研究所
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