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2018年5月

人権マガジン

盲導犬と視覚障害者への配慮

盲導犬のことを知る  連載1

2017年度「人権研修ツアー」報告(その4)

 前号までは多文化共生についての講演概要を連載しました。今月からは、神戸市の兵庫県盲導犬協会神戸訓練センターで行った研修での講演「盲導犬の訓練や盲導犬ユーザーに対する配慮について」の要旨を連載します。

盲導犬とは

 盲導犬は目の不自由な方の目の代わりとなり「生きた自助具」と呼ばれる。目の不自由な方の伴侶であり、盲導犬の管理責任者でもある。
 視覚障害者は全国で30万人以上といわれるが、盲導犬は約950頭(兵庫県42頭、香川県7頭。2017年4月現在)。盲導犬1頭を育成するには食事、住環境の設備、健康管理(血液検査や尿検査、便検査やレントゲン撮影)など約500万円かかるが、費用はほぼ募金や寄付金などである。盲導犬育成団体は全国に11団体あり、国家公安委員会の認可を受けなければならない。兵庫県盲導犬協会は平成13年に認可を受けた。

目が不自由な人のことを考える

 目が見えないとはどういうことか。私たちは視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感を使って周囲の情報を収集し、そのうち90%は目からである。目が見えないとどれほど大変か、目をとじて体験していただきたい。目以外で収集できる情報は音や匂いだが、匂いの方向や味覚も味を確認するときは目で情報収集している。触角は手の届く範囲しか分からない。街中には看板や植え込みの木、駐輪自転車などがある。目が見えると避けることができるが、目が不自由だと危険な障害物になる。
 目の不自由な方が一人で外出する第一の方法は白杖を利用することである。足元を確認しながら進み、何かが杖に当たれば分かる。杖から伝わる感触でツルツルしているかザラザラしているかも分かる。白杖は足元を確認できるが張り出した木の枝やトラックのサイドミラーなど、高い位置にある障害物は見つけにくい。また、自分で足元を探って歩くので歩みはゆっくりしている。一方、白杖は周囲の方に目が不自由であることを伝える役割を果たすとともにバンパーの役割も果たしている。
 第二は盲導犬と一緒に歩く方法である。盲導犬は目の不自由な方に当たる障害物を確認して避けてくれる。曲がり角や交差点、段差のある所では停止して知らせてくれる。盲導犬は生き物なので目が不自由とはいえ、食事、排泄、シャンプー、ブラッシングなど健康管理をしっかりしなければいけない。
 盲導犬が目的地まで連れて行ってくれるのではない。盲導犬は目の不自由な方が出す指示に従って動いているだけである。盲導犬の仕事は曲がり角や交差点で止まって知らせる、段差や階段の前で止まって知らせる、道なりにまっすぐ進む、近くにある目的物を見つけるなど、障害物を避けることである。目的地まで行くには、目の不自由な方が地図を覚え、その通り盲導犬に指示して目的地にたどり着く。自宅を出る、まっすぐ進んで三つ目の角で左に曲がる、と覚える。「ストレート」と声をかけてまっすぐ進むと一つ目の曲がり角で盲導犬は必ず止まって知らせてくれる。まっすぐな場合は「ストレート」と言って進み、二つ目の角で止まり「ストレート」と言ってまた進む。三つ目の角で止まって「レフト」と声をかけると左に曲がってくれる。地図が頭の中で混乱すると盲導犬は迷う。初めて行くところは迷いやすい。通いなれた道でも何本目の角だったか、何回止まったか分からなくなると曲がる筋を間違え、いる位置が分からなくなって迷う。誘導する方は、盲導犬と歩くためにしっかり地図を覚えて指示を出さなければならない。盲導犬は障害物を前もってよけて進んでくれるので白杖より早く進むことができる。
特定非営利活動法人香川人権研究所
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