2017年11月

部落差別解消へ 県内の取組み その1

昨年12 月に部落差別解消推進法が施行され、国や地方公共団体にたいして教育・啓発、相談、差別被害の調査など、部落差別の解消を推進するための施策を講ずることが法的義務となりました。部落差別解消に向けた県内の取り組みを2 回に分けて紹介します。

行政の取り組み

行政の責務

すべての国民に保障されている基本的人権が一部の国民に保障されていない―これが同和問題です(同和対策審議会答申)。
そして、その解決は行政の責務とされています(部落差別解消推進法)。
国は1969 年から33 年間にわたって同和地区の生活環境の改善、社会福祉の充実、就職や進学支援、同和教育など同和対策事業を実施してきました。
香川県では現在、人権・同和行政を推進し、人権が保障されて誰もが住みよい香川づくりに取り組んでいます。
<人権問題と部落差別(同和対策審議会答申・1965 年)>
「近代社会における部落差別とは、ひとくちにいえば、市民的権利、自由の侵害にほかならない。市民的権利、自由とは、職業選択の自由、教育の機会均等を保障される権利、居住および移転の自由、結婚の自由などであり、これらの権利と自由が同和地区住民にたいしては完全に保障されていないことが差別なのである。」
 

結婚や就職

「結婚の自由」「職業選択の自由」は基本的人権の一つです。
結婚は当事者双方の合意によって、採用は本人の適性や能力によって決定されることです。香川県では、結婚や就職の際に同和地区関係者かどうか身元調査をしないことを条例で定めるなど、部落差別の解消に努めています。
<県の取り組み>
▽啓発活動(ポスター作成、テレビスポットCM、新聞広告、街頭キャンペーン、立看板、じんけんフェスタ、プロスポーツ組織と連携した啓発イベント、講演会など)
▽相談活動
▽「香川県部落差別事象の発生の防止に関する条例」の周知など
 
<香川県部落差別事象の発生の防止に関する条例>
(県民及び事業者の責務)
 第四条 県民及び事業者は、自ら調査を行い、又は調査を依頼し、若しくは受託する行為、調査に係る資料を提供する行為その他の結婚及び就職に際しての部落差別事象の発生につながるおそれのある行為をしてはならない。
 

研修や啓発

公務員・教職員・警察職員など人権にかかわりの深い職業に従事する人に同和問題の研修を行うとともに、県民や企業などを対象に講演会などを行っています。また、県民啓発活動の拠点施設である香川県人権啓発展示室では、体験型の啓発研修を実施しています。
 
<香川県人権啓発展示室>
香川県が2003 年に香川部落解放・人権啓発センター内に開設しました。入館や解説、駐車は無料。
利用申込みは香川人権研究所(0877-58-6868)へ。
 

登録型本人通知制度

個人情報が結婚や就職での身元調査、あるいは特殊詐欺やストーカー行為などに悪用される事件が起きています。
そこで、県内すべての自治体では「登録型本人通知制度」を実施し、本籍など大切な個人情報が不正に取得されないように住民の安心・安全、プライバシーの保護に努めています。登録者が多いほど不正取得を抑止する効果が高まるため、未登録の方はぜひ登録をお勧めします。
<登録型本人通知制度>
自治体が戸籍謄本・抄本や住民票の写しなどの証明書を代理人や第三者に交付したとき、証明書を交付した事を登録者に通知する制度です。市役所や町役場の窓口で簡単に登録できます。無料。
 

学校の取り組み

人権尊重の行動力をはぐくむ

1970 年代から県内全ての学校で同和教育がスタートし、
▽子どもの教育権の保障(長期欠席や不就学の解消、義務教育教科書無償制度)
▽科学的な考え方の育成(部落差別の誤解克服)
▽イジメの克服(差別しない集団作り)
▽全ての子どもの進路保障(公正採用選考の推進、就職や進学の指導)などに取り組んできました。
今は全ての学校で人権尊重の実践力を重視する人権・同和教育を進めています。
<香川県人権教育基本方針(抜粋)>
日本国憲法及び教育基本法の精神にのっとり、また、同和教育がこれまで積み上げてきた成果を生かしながら、人権尊重意識の高揚を図ること、及び人権課題の解決と人権が尊重される社会
の実現をめざす実践力に富む人間の育成を目的として、学校教育と社会教育のあらゆる場を通じ
て、人権教育を推進する。
 
特定非営利活動法人香川人権研究所
〒763-0092
香川県丸亀市川西町南715-1
TEL.0877-58-6868
FAX.0877-28-1011