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2017年5月

自殺防止

誰もが追い込まれない社会を

生きがいと希望があれば

小学生や中学・高校生がいじめを苦にして自殺する痛ましい事件
が続いています。また、先日は大手広告会社の新入女子社員が過労
を苦に自殺しました。自殺は決して本人の責任ではなく、死を選ば
ざるを得ないところまで追い込まれた結果なのです。このことを改
めて確認しあいましょう。
2016 年に改正された自殺対策基本法では、自殺対策はすべての人
が生きがいと希望をもって暮らせるようにするために、それを阻害
する様々な社会的要因を解消する事の必要性が書かれています。自
殺防止の取り組みは誰もが住みやすい街づくりのために大切なことです。

2万5000人前後が自殺

自殺者数は1997 年まで2万人台でしたが、バブル経済崩壊後の1998 年に3万人を超え、2003 年には統計を取り始めた1978 年以降最多の3万4427 人になりました。このような深刻な事態に対応するために政府は2006 年に自殺対策基本法を制定し、対策を強化したこともあり、2010 年以降は減少しています。
2015 年の自殺者数は警察庁によると2万4025 人(厚生労働省2万4417 人・統計手法が異なるため)、2016 年11 月現在2万193 人(香川161 人)です。そのうち男性が約7割、男女とも首吊りが1位を占めています。
『平成28 年版自殺対策白書』(厚生労働省)によると、死亡原因のうち男性(44 歳以下)は自殺が最も多く、女性も15 歳から34 歳では自殺が一位となっています。日本は先進7カ国中最悪という深刻な状態が続いています。

地域の事情に合わせた取り組み

政府は2006 年に自殺総合対策大綱を定め、
①自殺は追い込まれた末の死
②自殺は防ぐことができる
③自殺を考えている人は悩みを抱えながらサインを発している、
との基本認識を示しました。そして、自殺を引き起こす社会的要因に対して国民一人一人が取り組むこと、関係者が連携して取り組むこと等、青少年・中高年・高齢者に分けて自殺対策をすすめ2016 年までに自殺死亡率を20%以上減少させる目標をたてて対策を進めてきました。
しかし、その後も3万人台の自殺者が続き、さらに大規模災害やいじめの被害者・性犯罪や性暴力の被害者・生活困窮者などの自殺も発生したことから、地域事情に応じた対応を強める必要性が高まり、2016 年に自殺対策基本法が改正されました。そして、都道府県・市町村で自殺対策計画を定める、国は自治体に対して地域の状況に応じた自殺対策のために必要な事業や取組等に交付になりました。

香川県の自殺対策方針(参照:香川県HPより作成)¥

実践指針

  1. すべての世代で自殺を防ごう
  2. うつ病など心の病気に対する知識と理解を深めよう
  3. 悩みは早めに相談を
  4. 家族や身近な人の心の変化に目を配ろう

目標

本県の自殺者数を増加前の平成9 年以前の水準に戻し、継続して減少するよう努める。

現状・課題

  1. 香川県は全国的に少ない方であるが、減少傾向にはない
  2. 自殺者は女性より男性が多く、30 代~60 代が特に多い
  3. 原因は「健康問題」が最も多く、次いで「家庭問題」「経済生活問題」
  4. 自殺者の大多数がうつ病等の精神疾患であり、うつ病に対する偏見と未受診者への対応が課題である
  5. 自殺未遂者は最低10 倍と推定される
  6. 自殺(未遂)は家族や友人にも大きな影響を与えている
  7. 若年層の死因順位では自殺が上位にあり、若年層の自殺予防対策が必要である。

今後の指針

  1. 関係機関・団体による総合的な取組みの継続
  2. うつ病対策を中心に自殺予防対策を実施
  3. 相談体制を充実
  4. 地域保健と職域保健の連携を促進
  5. 市町の取組みを支援
▽若年層の自殺予防対策を強化
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