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はなしの泉

第6回 絵の具と人権

◆「はだいろ」と呼びますか?

 学校時代、図画や工作で人の顔などを塗る時は、「はだいろ」の絵の具を使いました。赤、黄、白の三色を混ぜた色です。「はだいろ」という絵の具チューブがありました。
 ところが最近は色の呼び方が変わっています。
あるメーカーは「うすだいだい」、他のメーカーは「ペールオレンジ」、「ライトオレンジ」などと呼んでいます。 
 呼び方が変わった背景には、国際化が進んで各地の学校などにさまざまな肌の色の異なる外国籍の子どもたちが増えたことです。もう一つは日本政府が国連の人種差別撤廃条約を批准し、人種差別をしない国に仲間入りしたことです。絵の具などにも人権が影響する時代になっています。
 
◆「人種差別撤廃条約」第7条

人種差別撤廃のために「締約国は・・・・教育、文化及び情報の分野において、迅速、かつ効果的な措置をとることを約束する。」
 

第7回 採用面接 どんな質問をしますか

適切な質問と差別選考につながる質問

県内高校生からの報告によると、採用面接での違反質問は41件(県内36件、県外5件)です(2009年度)。ほとんどが「家族の職業」などの身元調査です(『2009年度会報』香川県人権・同和教育進路促進委員会)。

◆ 就職差別につながるおそれがある質問(12項目)

面接では、誤った先入観を与えて採用差別につながるおそれがある次のような質問をしてはなりません。
 
(1)本籍(戸籍謄本・抄本・住民票の要求)
(2)家族の職業・続柄・身元調査
(3)家族の地位・学歴・収入
(4)家族の資産
(5)住宅の状況(部屋数・間取り・道順)
(6)信仰・宗教
(7)支持政党
(8)生活信条
(9)尊敬する人物
(10)思想関係
(11)生まれ育った場所
(12)生活に関わる作文(生い立ち・私の家族・父・母など) 個人の自由にかかわること、本人の資質や能力と無関係なこと、プライバシーに関わること、などは不公平な採用につながる恐れがあり、採用基準にしてはなりません。
(参考 職業安定法2条、3条)
 
◆ 本人の適性を聞くのにふさわしい質問
 
面接は採否を決める決定的な場面です。本人の応募の動機や意欲、能力などが確認でき、より良い人材を採用するために適切な質問をマニュアル化するのがよいでしょう。 香川労働局では次のような好ましい質問を紹介しています。
(1) 導入部(受験者の緊張をほぐす質問)・・・・「何時ごろ起きましたか」「趣味は何ですか」など。
(2) 本質問(適性・能力などを見る質問)・・・・「なぜ当社を希望しましたか」「自分の長所は何ですか」「どんな仕事をしてみたいですか」など。
(3) 情報交換(本人の意思確認などをする質問)・・・・「職務内容や勤務形態、賃金などはどうですか」「転勤や残業がありますがどうですか」、など。

第8回 あなたならどうする?

見て見ぬふりしていませんか

 この写真は、同和問題の解決に向けた啓発ポスターです。
身近な場面で差別に直面したとき、「ダメ」という勇気を持とうと呼びかけています。あなたはどうしますか。
 
◆指摘するのは3割弱
Q もし職場や地域などで、人権侵害と思われる差別的な言葉や動作を見聞きしたとき、あなたは、どのようにすると思いますか。
1 差別は間違いであると指摘する 29.6%
2 何もせず黙っている 19.4%
3 相手(の話)に合わせる 5.0%
4 話題を変えるよう努力する 27.0%
5 人権に関する相談機関に相談する 10.9%
6 その他 3.5%
7 無回答 4.5%
 
*ポスターは「香川県・香川県人権啓発推進会議」
*アンケートは「平成21年度県政世論調査」
 
人権侵害は無意識に行っている場合が多く、気付いた人が指摘すれば再発防止に大変効果的です。自覚しなければ繰り返されます。
特定非営利活動法人香川人権研究所
〒763-0092
香川県丸亀市川西町南715-1
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FAX.0877-28-1011
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