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中学生が調べた「いのちの値段」


中学生の自殺 230万円


 今年1月、善通寺市内の中学生たちによる調査研究「いのちの値段」パネル展が開催されました。パネルには次のようなことが書かれていました。


【パネル1】

 1986年の生徒と先生による「葬式ごっこ」で知られる富士見中学校二年生のいじめ自殺事件は、一審判決で暴力事件として400万円の支払いが命じられた。控訴審では、いじめと認められて被告4者に合計1150万円の支払いが命じられた。

【パネル2】

 1990年の福岡県いわき市の中学三年生のいじめ自殺事件では、500万円で和解成立。

【パネル3】

 1991年の千葉県神崎市の中学二年生のいじめ自殺事件では、町と元同級生の父親に、600万円の賠償金。

【パネル4】

 1994年の神奈川県津久井町の中学二年生のいじめ自殺事件では、町と県に2160万円、元同級生9人に120万円を連帯して支払うよう命令。

【パネル5】

 1998年の神奈川県横浜市の高校一年生のいじめ自殺事件では、加害生徒一人に56万円、県に330万円支払い命令。県が和解金として440万円支払う。

【パネル6】

 1998年の新潟県岩船郡の中学二年生のいじめ自殺事件は、村に230万円の支払い命令。

【パネル7】

 1999年の栃木県鹿沼市の中学三年生のいじめ自殺事件で、市と県に860万円の支払い命令。

【パネル8】

 2000年の兵庫県神戸市の中学一年生のいじめ自殺事件では、同級生が計300万円の解決金を支払うことで和解。

【パネル9】

 ・・・いのちを償うお金が安すぎると感じたのは、僕たちだけだろうか

【パネル10】

 「いのち」と「お金」とを安易に単純に結びつけて考えるのはよくないと思う。でも、今の社会を見るひとつの切り口が「いのち」と「お金」をめぐる問題にあるような気がして、僕たちはいのちに関わるお金について調べはじめた。

 調査に参加した中学生、善通寺市立東中学校のT君と同西中学校のM君(いずれも三年男子)に調査の動機や感想をインタビューしました。


Q いじめ自殺の賠償金はどれぐらい?
A 平均賠償額は2343万円。交通事故の賠償金は最高2億2162万円でした。


Q 差が大きい。
A 理由は、いじめ自殺は物的証拠が少ない、金額の算定は減額方式がとられていることなどです。他に関心を持ったのは動物の値段。動物の生体平均購入価格は犬12万4441円、猫7万2194円です。動物園には「売買価格は秘密」といわれました。


Q なぜですか?
A ワシントン条約で動物の売買が禁止されているからと思います。


Q 公表すると動物密売の価格に影響するのでしょうか。
A 『動物の値段』(角川文庫)に「ライオン45万円、象3000万円」とありました。次に調べたのが子どもの値段です。


Q 人身売買ですね。
A カンボジアやネパールでは女の子が一人1万円から3万円、タイでは12歳から15歳の女の子が10万円〜15万円で売られています。


Q 日本の物価でいうと?
A 国々で物価水準が違いますが1〜3カ月の生活費、あるいは月収に当たるのではないでしょうか。


Q どういうきっかけで調査を始めたのですか。
A 僕たちボランティア部では毎年、大島青松園を訪れてハンセン病のことを勉強してきました。ハンセン病回復の方々は長く施設に拘束されてきましたが、賠償金は拘束期間に応じて200万円から1200万円でした。このお金で人生を買い戻せるのかと思いました。昨年6月、大島青松園を舞台にした映画『風の舞』上映会へ行った時、賠償金の話を聞いて安すぎると思いました。その頃、岩手県で中学一年の男子がいじめで自殺してみんなの話題になっていました。彼の連絡帳には「耐えられない、氏にたい」と書いていました。「死にたい」と書いていなかったので先生も気づかなかったそうです。賠償金問題からいじめ自殺問題となってさらに関心が広がりました。


Q それから?
A 一度みんなに調査の中間報告をしようということでパネル展をしました。「お金」という切り口から「いのち」の重さについて考えてほしいと思ったからです。


Q T君は展示会どうでしたか?
A お金で取引すべきでないものが売買されているのに驚きました。日本でも保険金や交通事故の賠償などで男女差があったり職業や年収によっていのちの値段が変わっているのが引っかかります。


Q M君は?
A 「法の下の平等」というのに賠償金は年齢や職業、性別で差があります。賠償額はいくらが妥当か、それにお金が本当に被害者や家族のためになっているのかと考えました。改善すべきことはわかってきたのですが手が届きません。平等平等と言っているのに・・・。


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