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「人権立県香川づくり」の提言 その3


提言B:教育・啓発活動の充実

県、市町、国際交流協会等が既に設けている外国人のための相談窓口の利用状況や相談内容を精査し、外国籍住民にとって、より活用しやすい相談窓口とするべく改善する。また、県内在住の外国籍住民によるピアサポート(=当事者同士の助け合い)を活用した相談窓口や、人権相談・法律相談等の専門性の高い相談に応じるための窓口を、NPO・NGOや弁護士会等と連携しつつ整備・拡充する。


1.人種・民族差別に関する体験型人権教育の実施


 外国籍住民に対する人権侵害を防止するためには、まずもって人種、民族、国籍、宗教等の違いによって、他者を蔑んだり、差別したりしない意識と態度を養うことが不可欠である。日本では、性差別や障害者差別については、これまでに人権教育・啓発の課題として相応の取り組みが行われてきたが、人種・民族差別、国籍差別等については、まだ十分な教育・啓発が進んでいるとはいえず、それが近年のヘイトスピーチの遠因になっているともいえる。そこで、今後は人種・民族差別、国籍差別等に焦点を当てた教育・啓発を行っていくべきであるが、その際、これまでの人権教育・啓発によく見られた講演会型の「聞き置くだけの啓発」では意味がない。人種・民族差別の不当性を実感できる体験型(体感型)の教育・啓発を取り入れるとともに、参加者自らが自分の頭で考え、発言し、理解するという参加型の仕組みを導入すべきである。



2.異文化理解教育・国際理解教育の実践


 外国籍住民に対する偏見や差別は、往々にして他国の文化、宗教、生活習慣等の違いに対する無理解から生じ、またその違いを理由に正当化されることが多い。これを解消するためには、外国籍住民と日本人住民とが、互いの文化や生活習慣、及びそれらの背景にある歴史等を学び合い、互いに尊重し合えるような国際理解教育を行うことが必要である。そのためには、他国の文化を知識として学ぶだけでは足りず、体験を通じて、触れ合い、感じ取ることが重要である。また、日本の文化が、世界各国の影響の中で形成され、他国の文化との連関性の中で育まれてきたことを理解することも欠かせない。文化の独自性を強調するのではなく、文化相互の関係性と相似性を意識することに重きを置いた異文化理解・国際理解教育を実践すべきである。



3.日本語教育・母国語教育の充実


 外国籍住民が日本で暮らし、日本社会に順応していくためには、十分な日本語教育を受けられる環境を整えることが必要である。この点、香川県では、これまでに日本語学習サポーターの派遣や、子どものための日本語教室の開設などを実施している。今後とも、こうした施策をより充実させ、言葉の壁によって外国籍住民が困窮したり、孤立したりすることがないように、十全の体制を整備していくべきである。一方、外国籍住民に対して日本語を教育するだけでなく、外国籍住民(特に子ども)が、自国の言語を学び、自国の文化に対する誇りを失わないための教育も欠かせない。とりわけ、外国籍の子どもや外国籍の親を持つ子どもは、日本で暮らす中で、次第に日本語しか話せなくなり、それが親子間や家族内の亀裂を生み出すことも指摘されている。こうした事態を防ぐためにも、外国籍の子どもや外国籍の親を持つ子どもが、日本においても自分の母国語や親の母国語を学び続け、自分のルーツに対する誇りを持ち続けられるようにするための教育体制を可能な限り整備すべきである。行政自らがこれを行うことに限界がある場合は、外国人学校や外国籍住民独自の学習サークル、あるいはNPO・NGOによる同様の活動を積極的に支援していくべきである。



4.ヘイトスピーチを防止するための教育・啓発の実施


 近年、在日韓国・朝鮮人に対するヘイトスピーチが問題化しており、またイスラム過激派によるテロの横行を受けて、日本に住むムスリムに対する迫害も増えている。このような行為の背景には、在日韓国・朝鮮人の歴史や現況に対する無理解や誤解、あるいはイスラム教に対する偏見等が影響していると考えられる。香川県内にも多くの韓国・朝鮮籍の住民やムスリムの住民が暮らしていることを考えれば、こうした人びとに対するヘイトスピーチやヘイトクライムを事前に防止・抑止するための教育・啓発を行うことが、喫緊の課題といえる。そのためにも、在日韓国・朝鮮人がなぜ日本に渡り定住したのかを、日本の植民地政策の検証を踏まえて、正しく教育・啓発するとともに、一部の団体が吹聴する「在日特権」なるものが、全くの虚偽であり、それ自体が悪質なヘイトスピーチであることを周知する必要がある。また、イスラム教に対する正しい認識を促し、一部にある「イスラム教=テロ宗教」という誤った理解を正していかなければならない。

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