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同和をかたる高額図書押し売り事件
1 突然電話が
 県西部の福祉団体に宅配便が届いた。差出人「東京○○同和会理事K」に心当たりがなく送り返した。数日後Kが「どうなっているんだ」と威圧する事件が起きた。県東部のリサイクル業者に男から電話があり、「運動に賛同してほしい」と図書購入を求められた。断ると面倒なことになると業者は考え、買った。1か月後「あなたが買ったのは偽物で我々は迷惑している。本当の運動に参加してほしい」と別の男から電話があり、数日後重い図書と請求書が送りつけられた。県内のある町役場に電話が入り、「ブラクカイホウドウメイ中央本部のニシザワだ。5万2,000円の書籍を買ってほしい」と凄んだ。疑問を持った職員が部落解放同盟県連事務局に尋ねると、「そんな人はいない。電話で押し売りをするはずもない」と言われた。
 同和団体をかたって電話をかけ、高額書籍を押し売りする事件が後をたたない。行政機関は「不要なものは要りませんと断る」「勝手な送りつけは返送する」と呼びかけている。

2 差別意識を助長
 香川県同和問題連絡協議会(香同連)の調査(注)によると、このような電話に「毅然とした態度で拒否すべきだ」は29.1%。一方、「(こんな事をしているから)いつまでも差別される」(17.4%)、「後がうるさい、仕方がない」(11.1%)、「怖い」(8.7%)「(同和関係者なら)やりかねない」(6.7%)と、43.9%が差別意識を強めている。体験が「確信」となると啓発しても変わらず、結婚や就職などで差別を起こす原因になる。(注)調査は2001年6月に行われ、2,907社のうち1,655社から郵送で回答があった。

3 犯人たち
 1999年夏、東京で男二人が逮捕された。同和団体をかたって脅迫して高額図書を売りつけた容疑。彼等の実態は次のとおり。
「S社は同和団体とはまったく無関係だが、同和団体理事をかたって個人事業主等に電話をかけ、原価3,000円程度で他の書籍から無断転載して作成した書籍を1冊5万円2冊セットで購入するよう勧誘し、相手が断ると『支部の連中が行くようになるとご迷惑をおかけすることになる』と語気荒く申し向けて相手を威迫(いはく)して困惑させ、図書を購入させた。S社の在庫を1冊6万円で電話勧誘して販売していたが、平成10年8月頃、『同和問題とそのあゆみ』『同和教育論』を新たに作成し、電話勧誘で1冊6万円で販売した。D社も各営業員に偽名を与え、同和団体理事を名乗らせて書籍購入を勧誘し、断ると『若い者がベンツで向かうぞ』『うちの若い者にゴロつかれたら商売にならないだろう』と語気鋭く相手を威迫させた。営業員に1日3冊のノルマを課し、返本が50%を超えると1万円の罰金を徴収し、3ヶ月連続売り上げが100万円達成できないと解雇した。平成10年6月21日から同11年7月1日までの間に、約1万2,600冊発送し、そのうち6,100冊を販売、収入3億8,000万円、利益は約1億5,000万円である」(「冒頭陳述書要旨」から)。
 他にも岡山で逮捕されたグループは、1冊8万5,000円で年商12億円売り上げていた。高松のW社は「日本同和問題審議会」を名乗って同様なことをやっていた。同社は完全歩合給制で売り上げを伸ばすために社員たちに威迫行為をさせていた。2007年には広島県警が恐喝容疑で9人を逮捕、彼らも同和団体を名乗って「街宣車で押し掛ける」などと脅迫して高額図書を売りつけていた。

4 国などの取り組み
 国はこれらの事件を「えせ同和行為」と呼び、法務省・総務省・警察庁・日本弁護士会の関係四団体で「えせ同和行為対策連絡会議」を設置して啓発などに取り組んでいる(「えせ」とは似て非なるものの意味)。えせ同和行為は部落差別意識を助長して同和問題の解決を遅らせるため、早急な解決が求められている。

「えせ同和行為対策大綱」
「同和問題は怖い問題である」という意識がなお根強く残っていることに乗じ、同和問題を口実とする不当な要求、不当な行為などのえせ同和行為が横行し、大きな社会問題となっているが、えせ同和行為はこれまで為されてきた啓発の効果を一挙に覆し同和問題に対する誤った意識を植え付ける大きな原因となっている。

5 どう対応するか
(1) 電話がかかってきたら
 「要りません」と断って電話を切る。「結構です」「いいです」は承諾と誤解される。「私一人ぐらい」「5万円で済むなら」の気持ちが次の被害を生む。「断ると怖い」の考えは相手の思うツボ。「○○団体は実際にあるのか」と心配する人がいるが、実在するかどうかでなく威圧し脅迫することが犯罪である。
 電話だけで見知らぬ相手と契約書も交わさず、商品も見ず高額な取引をすることはありえない。断るのは消費者の正当な権利だが、「同和」の一言に引っかかって冷静な対応ができないのは部落問題の誤解や差別意識があるのではないか。

(2) 送りつけられたら
 勝手に送り付ける「ネガティブオプション」は違法。契約していない商品は返送、費用は先方着払い。

(3) OKしてしまったら
 契約後も解約できる「クーリングオフ」制度がある。買う約束(契約)しても8日以内に内容証明書に「契約解約します」と書き、契約した日付、相手の氏名あるいは団体名、書籍名と金額、あなたの住所・氏名を書いて郵便局から出す。

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